DQ10 まめぞぅのエリンギ便り

おもちハザード ~エピローグ~

      2016/10/10

これまでのあらすじ

おもちハザード ~プロローグⅠ~

おもちハザード ~プロローグⅡ~

 

イベントのあらすじ

ナース集会までの時間を潰すために酒場で飲んでいた院長達のもとへ、にくをから「おもちがいなくなった」と報告が入った。

ナース達はすぐさまおもち捜索に出る。しかし、見つけ出すことができなかった。院長はおもちに懸賞金をかけ、その場に居た冒険者達に捜索の手伝いを依頼する。

冒険者達の手により、おもちは見つけ出された。さらには、なべが見つけたおもちを救う方法により、おもちは一命を取り留めることができたのだった。

 

祝杯

icon-kouran「みなさん、本当にご苦労様でした。エテーネの村のことは残念でしたが、人が居なかったのは不幸中の幸いでしたね。」

 

おもちがダーマ神殿の地下へ降りていく姿を目撃し、すぐに追いかけたが見失ってしまった。行き止まりなので、どこへも行けるはずがないと隅々まで探したものの見つからない。台座の中心でみかん汁が途切れているのを不思議に思っていたところ、冒険者達にしか見えない不思議な扉があることがわかった。その扉は、レンダーシアの中心部にあるエテーネの村へと続くものだった。

冒険者達が次々とその扉をくぐり、エテーネの村に辿り着いたまではよかったのだが、そこで目にした光景はとても悲惨なものだったという。

 

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いたるところに腐敗したみかん汁の沼ができ、その酸にやられた生物たちは息絶えていたらしい。ただ、皮肉なことに匂いだけはとても爽やかで甘い香りだったようだ。

扉を抜けると、すぐのところにおもちがいた。腐敗の影響で内圧が高まり爆発寸前だったおもちは、自分がここにきたことで村をひとつ破壊してしまったことに気付き呆然としていたという。

冒険者達はすぐに、なべが見つけ出した、おもちを救えるかもしれない方法、おはらいを試した。すると、おもちの腐敗は止まり、みるみるうちに元の姿へと戻っていった。病気と思われたおもちは、実は呪われていたのだった。

 

icon-kouran「それでは、おもちさんの命が救われたことと、世界のみかんが救われたことを祝して乾杯しましょう。」

 

「かんぱーい」

 

大人が消えた町、セレドの酒場がこれほど賑わうのはいつぶりだろうか。客がいなかった間も、絶えることなく灯り続けてきた暖炉の炎が、今日は暖かく感じる。

暖炉の周りでは、それぞれが思い思いのことを話して過ごしていた。

 

icon-michiku「おもちさんはなんでみかんになっちゃったの?」

 

皆が静まり返った。おそらく誰もが気になっていたものの、聞くことができなかったことだろう。

 

icon-omochi「……よくわからないんです。」

 

呪いには直接的なものと間接的なものがある。例えば、誰かが恨みを込め毎夜呪いの念を送るような、間接的な呪いの場合は知らず知らずのうちに呪われていたとしてもおかしくはない。わからなくて当然だろう。

 

icon-omochi「みかんになったせいか、記憶も曖昧なんです。なんとなく、この中に知っている人がいた気がするのですが……、ごめんなさい。」

icon-michiku「私こそごめんなさい。辛いことを聞いちゃったね。」

icon-nabe「さぁ、そろそろナース集会の会場に向かわないと遅刻しちゃうよ。」

icon-monika「よかったらおもちさんも来てくださいね。元気出ますよ。」

icon-omochi「はい、是非。」

 

ひと騒動あったが、ナース集会は予定通り行われる。ナース達に誘いで、おもちを探してくれた冒険者達も参加してもらうことになった。

 

icon-michiku「あれ?にくをちゃんはどこに行ったのかな?」

icon-mamena「会場担当だし先に行ってるんじゃない?」

icon-michiku「そうだね、じゃあ私達も急ごう。」

 

真実

酒場はさっきまでの賑わいが嘘のように、いつもの静寂に包まれている。

 

icon-who「……やっと静かになったわね。まったく、ホント騒がしい連中だこと。」

 

酒場のテラスから艶かしい声が聞こえてきた。

 

icon-who「にくを、どういうことなのか説明してちょうだい。」

icon-nikuwo「あ……ぅ、美魔女様、申し訳ありません。まさかあの状態で動けるとは……。」

 

そこには先にナース集会の会場に向かったと思われていたにくをと、にくをを冷たい目で睨みつける、美魔女と呼ばれる女がいた。

 

icon-who「あなたのせいで私の計画は全てパァ。どうしてくれるのかしら?」

icon-nikuwo「……。」

 

その鋭い眼光で睨まれているにくをは、まさに蛇に睨まれたカエル状態。言葉も出ず、全く動けなくなっている。

美魔女の計画とは一体何だったのか。

 

icon-who「永遠の若さを手に入れるために、ずっと歳をとらないこの町の子供達の生き血を飲みたかったの。そのためにあなたと呪いをかけたプクリポをこの町に送り込んだのよ。」

 

全て説明してくれた。

つまりはこうだ。美魔女は永遠の若さ、つまりは不老不死の体を欲していた。そこで、ずっと子供のままで歳をとらないこの町の子供達に目をつけた。

 

美魔女の誕生日に「美魔女って要するに若作りBBAだよね」と暴言を吐いたおもちに腐ったみかんの呪いをかけ、この町に送り込んだ。そして、おもちハザードを起こし、その混乱に乗じて子供達を連れ去ろうとしていたのだ。

美魔女の奴隷であるにくをは、先にナースとしてこの町に潜入。おもちハザードの発生を見届け、子供達を連れ去る役だった。にくをは、おもちが動けないと思い込み目を離してしまい、その隙に逃げられてしまったというわけだ。

 

「永遠の若さの秘密を教えてあげましょうか?」

 

美魔女が振り返ると、そこには大きなリボンを身に付けた茶色い髪の少女が立っていた。

 

「酒場が賑やかだというから様子を見に来たら……、そんなことがあったのね。」

 

自分達に危険が迫っていたというにも関わらず、少女は特に驚くことなくこう続けた。

 

「私達が大人にならない……、いいえ、なれない理由を教えてあげる。」

 

少女は美魔女の耳元でそっと囁いた。

 

icon-who「そう……、それが真実なのね。どうやらこの町は私達が居て良い場所ではないみたいね。にくを、西の森の魔女に巨乳になる方法を教えてもらいに行くわよ。」

icon-nikuwo「は、はひぃっ!」

 

立ち去ろうとした美魔女は少女の方を振り返ると、胸からみかんを取り出し、少女に手渡した。

 

icon-nikuwo「……みかん入れてたんですか。」

icon-who「おだまり。……焼くと体にいいらしいわよ。」

 

そう言い残し去っていった。

少女は肌の温もりが残るみかんを棒に刺し、言われたように火であぶってみることにした。

 

「……やっぱり焼けないのね。」

 

冷たく揺らめいている暖炉の炎を見つめながら、悲しそうにそう呟いた。